最高裁判所第二小法廷 昭和49年(オ)1118号 判決
主文
理由
上告代理人岡本薫一、同岸本昌己の上告理由について。
土地賃借人が借地上に所有する建物につき、第三者名義で保存登記をし、あるいは第三者に所有権移転登記をした場合でも、それが登記上の名義のみであつて建物所有権の帰属に変動がないときには、右建物の敷地について民法六一二条所定の解除原因たる賃借権の譲渡または転貸はないと解すべきであり、被上告人に所論の譲渡または転貸がないとした原審の認定判断は、原判決挙示の証拠に照らし、正当として是認することができる。その他原判決に所論の違法はなく、論旨は採用することができない。
(裁判長裁判官 小川信雄 裁判官 岡原昌男 裁判官 大塚喜一郎 裁判官 吉田 豊)